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人類が生き残った秘訣、犬との同盟のお陰?

人類が生き残った秘訣、犬との同盟のお陰?

Posted December. 16, 2017 09:56,   

Updated December. 16, 2017 10:19

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なぜネアンデルタール人は絶滅し、現生人類は生き残ったのか。人間はどのように最も栄えた侵入種になったのか。

人類学は、人間が残した記録をもとに過去と現在を研究する学問だ。著者は、人類学を「歴史を扱う科学」と定義する。人類学の長年の質問に対して、著者はミトコンドリアのDNA分析、放射性同位元素、炭素年代測定法といった精巧な分析技法で踏み込む。

動物考古学と化石生成学の世界的な大家であり、米ペンシルバニア州立大学人類学科名誉教授である著者は、人間が地球上最も破壊的な侵入種だと主張する。約20万年前、アフリカ大陸で進化して以来、進出を続け、片っ端から自然を開拓して適応し、地球を占領したためだ。

著者は、ネアンデルタール人が絶滅して現生人類が生き残った原因について、気候変動仮説と現生人類との競争仮設を挙げる。この2つの仮設が対立するのではなく、気候変動と新しい能力を備えた現生人類の出現がシナジー効果を生み、ネアンデルタール人を絶滅させたと主張する。体が大きく筋肉質のネアンデルタール人は、現生人類より7~9%多いエネルギーを必要としたが、これは現生人類がより苛酷な気候でも生き残れた重要な身体条件だ。

このほかにも著者は、現生人類が残した骨の針を根拠に、現生人類が服を作って身に着け、これは寒い棲息地で狩猟をするにあたって有利に作用したと考える。また、現生人類は遠距離投てき武器を利用した「追撃猟」だったが、ネアンデルタール人は手に武器を持って狩猟する「待ち伏せ猟」という点に注目する。

一例として、狼から犬に変貌する過程の「狼犬」が人間の狩猟の助力者となり、人間が生態系を征服するうえで新たな道を開いたと主張する。「狼犬」が家畜化されたかどうかが、ユーラシアを守ったネアンデルタール人の絶滅と現生人類「ホモサピエンス」の生存を分けた重要なキーワードになったと考える。

著者は、「現生人類の能力とは、現生人類が保有した文化的緩衝制と融通性、さらに家畜化と呼ばれる上位捕食者との前例のない同盟を結成した能力」と説明する。そして、現生人類と前例のない同盟を結成した捕食者に「狼犬」を挙げる。

著者は、「侵入種の概念はある種が歴史的に新たな領域に移動する過程以上のことを意味する」とし、「侵入種かどうかを決定する一つの基準は、侵入が生み出す影響力にある」と説明する。



金正恩 kimje@donga.com