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ル・クレジオの「ソウル」

Posted December. 16, 2017 09:52,   

Updated December. 16, 2017 10:20

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「国境のトンネルを抜けると雪国であった。夜の底が白くなった」。日本の作家川端康成(1899~1972)に1968年ノーベル文学賞を抱かせた「雪国」の最初の部分。作家は新潟県の山間地方の温泉の街湯沢に滞在しながら、ここを舞台にした小説を執筆した。

◆「ニューヨークは限りない空間、延々と歩くことのできる迷宮だった。どんなに遠くまで歩いても、近くにある区域と通りをどんなによく知ることになっても、その都市はいつも彼に道を失っているという感じを抱かせた」。米現代文学の地形図に作家の名前を刻んだポール・オースターのニューヨーク三部作のうち、「ガラスの街」に出てきた句節である。この小説だけでなく、数多くの芸術作品のオーラを通じて、大都市ニューヨークはさらに輝かしい光彩を誇る。

◆世界的小説家がソウルを舞台にした長編小説を発表した。2008年にノーベル文学賞を受賞したフランスの小説家ジャン=マリ・ギュスターヴ・ル・クレジオ(77)の「輝く:ソウルの空の下」という作品だ。彼は2001年に初めて韓国を訪問して以来、梨花(イファ)女子大学で客員教授を歴任するなど、韓国とは格別な縁を結んだ作家だ。「輝く」は、韓国を背景した氏の2番目の作品。フランス版に先立って、ハングル翻訳版が最近披露された。分断の現実や伝統文化など、さまざまな物語を扱った小説には、自分の足で歩き回った痕跡が歴然としている。ル・クレジオは、安国洞(アングクドン)や新村(シンチョン)、梧柳洞(オリュドン)、牛耳洞(ウイドン)など、作品の中の舞台を地下鉄やバスなどに乗って、直接歩き回ったという。老作家の内面が込められた新作が、高い文学的達成に加えて、世界にソウルの内密な魅力を知らせる作品になれるかどうか気になる。

◆最近は国より都市の競争力を打ち出す時代。今回の小説によると、「ソウルは最高と最悪が共存するところ」である。作家は「高層ビルとテクノロジーの発展による人間性喪失」を最悪に挙げたが、まだ残っている路地の日常と庭に野菜を植えて食べる懐かしい風景を魅力として指摘する。ル・クレジオが愛するソウルは過去と現在が共存し、人間の情趣が息づく都市だ。私たちが夢見るソウルの姿もこれと変わらないだろう。

高美錫(コ・ミソク)論説委員