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米ITC、三星とLGの洗濯機の半分に「関税爆弾」

米ITC、三星とLGの洗濯機の半分に「関税爆弾」

Posted November. 23, 2017 08:28,   

Updated November. 23, 2017 08:45

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米国の国際貿易委員会(ITC)により輸入洗濯機に対してセーフガード(緊急輸入制限措置)を発動することが決まった。三星(サムスン)電子とLG電子は、「最悪の事態は免れた」と評価しながらも、今後の販売量に影響を及ぼすことを懸念した。また、太陽光発電や鋼管に次ぐ今回の措置が、鉄鋼、半導体、ペット樹脂など、他の品目に保護貿易主義が拡大されるシグナルではないかと、韓国内企業各社の不安が高まっている。

ITCは21日(現地時間)、米国に輸入される大型洗濯機のうち、120万台を超える物量については3年間、最大で50%の関税を課す低率関税割当(TRQ)の勧告案を発表した。TRQとは、一定量に対しては低い関税を課し、これを超える物量に対しては高い関税を課す輸入制限措置である。

今回の勧告案には、初年度は50%、2年目は45%、3年目は40%の関税を課す内容が盛り込まれている。この措置は、韓国メーカーのみを対象にしたものではない。米国に輸入されるすべての大型洗濯機が対象である。しかし、米国向け洗濯機を数十万台規模で輸出している企業は、事実上、三星とLGだけだ。

両社が米国に輸出する洗濯機の物量は年間250万台程度で、そのほとんどをタイとベトナムで生産している。LG電子は、輸出量の20%程度を昌原(チャンウォン)で生産するが、この物量は、韓米自由貿易協定(FTA)に基づいて、今回の措置から外される。したがって、来年2月頃に最終決定が出れば、両社の輸出物量のうち、三星電子の72万台とLG電子の36万台が来年から関税が適用されるものとみられる。

セーフガードを要求した米ワールプールは、当初、輸入量全体に50%の関税を課すよう要請し、三星とLGは145万台の超過分に対して50%を課すのが適正だと主張した。ITCは、両方の要求を折衷したものと見られる。

折衷案が選択されたものの、既存の関税が1%台だっただけに、三星とLGはセーフガードにより、製品価格を値上げせざるを得ないと思われる。米大型家庭用洗濯機市場のメーカー別シェアは、ワールプールが38%、三星が16%、LGが13%の順となっている。

クォーターで決めた120万台以内の物量と部品に対する措置も問題だ。クォーター内の物量には、関税20%を課すべきだと主張する委員2人と、課すべきではないと主張する委員2人に分かれ、最終選択は、ドナルド・トランプ大統領に任されることになった。この決定により、120万台以内の物量にも、最大で20%の関税が課されかねない。洗濯桶とキャビネットなどの部品も、5万台を超える物量については、3年間で50~40%の関税が順次課せられる。事実上すべての部品に関税が課せられることになったわけだ。

三星とLGは、被害を最小限に抑えるため、米洗濯機工場の稼動時期を最大限繰り上げることを決定

した。LGは2019年初めに予定されていたテネシー州の洗濯機工場の稼動時期を、来年下半期に繰り上げる計画だ。三星は、建設中のサウスカロライナ州の洗濯機工場で、来年第1四半期(1~3月)中に生産を開始する予定である。両社は部品メーカーを米国に進出させる案も検討している。

産業通商資源部は22日、ソウル江南区(カンナムグ)にある韓国技術センターで、外交部と三星電子、LG電子など、「米洗濯機セーフガード関連官民合同対策会議」を開いた。政府と業界はトランプ大統領が最終案に署名するまで、今回の措置の問題点を最大限に知らせ、クォーター内物量に対してまで20%の関税が適用される状況をできるだけ回避する方針だ。業界では、クォーター内物量にも20%の関税が適用される場合、価格が10~15%は値上がりすることになり、これは米消費者の選択権を制約することであるという論理を展開している。米国がセーフガードの実施を強行すれば、世界貿易機関(WTO)の協定違反などについて分析し、提訴することも検討する。トランプ大統領は来月4日、ITC勧告案の報告を受け、その後60日以内に最終案を決定するか、拒否権を行使しなければならない。



金哉希 jetti@donga.com · 金成圭 sunggyu@donga.com