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同じホ短調の音楽なのになぜ違う感じがするのか

同じホ短調の音楽なのになぜ違う感じがするのか

Posted November. 21, 2017 10:07,   

Updated November. 21, 2017 10:14

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音楽放送を聞く途中、「ベートーベン交響曲第5番ハ単調をお聞かせします」というアナウンサーの言葉に、「番号は分かるが、ハ短調は何だろう…」と思う時がありますね。

私たちは歌を歌う時、自分の声に合わせて調を上下して歌うことができます。しかし、クラシック作品は、作曲家がキーを決定します。該当作品が長調でキーが「ド」の場合、「ハ」が当てはめられ、この作品は「ハ長調(C major)」になります。もし作曲家が作曲途中で気が変わり、一音上げて書き直されると、この作品は「二長調(D major)」になります。

一部の人々は、調ごとにそれぞれの「色」や「性格」があると言います。20世紀初め、フランスの音楽学者であるアルベール・ラヴィニャック(写真)は、「ハ長調(C major)はシンプル、素朴、単調」、「へ長調(F major)は牧歌的」というなど、すべての長短調が特別な雰囲気を持っていると説明しました。

しかし、このような解釈には疑問もあります。ブラームスの交響曲第4番、チャイコフスキーの交響曲第5番、ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」は、すべて同じホ短調(E minor)です。しかし、三作品の雰囲気には共通点がありません。最初の曲は冷たい風が吹いてくる晩秋のように寒々とした雰囲気を醸し出し、2番目の曲は憂鬱ながら孤独を感じ、3番目の曲は見知らぬ場所を見て回る感じと言えますね。

さらに、音の高さ自体も時代に応じて変わってきました。気付かないうちに少しずつ上がったと言ってもよさそうです。現代のハ音(ド)は、モーツァルトの時代に比べて半音高いとみるのがほぼ正確です。それなら、モーツァルトの交響曲第41番C長調「ジュピター」をモーツァルト自身は、今日のロ長調(B major)に当たる音の高さで感じていたということになります。ところが、モーツァルトが感じたハ長調(C major)も「シンプル、素朴、単調」であり、私たちが感じるC長調も同じ感じだというのは変な話ですね。

話が長くなりましたが、24日、仁川(インチョン)文化芸術会館の大公演場では、鄭致溶(チョン・チヨン)が指揮する仁川市立交響楽団が、19世紀末の三曲の「偉大な」ホ短調(E minor)交響曲の一つであるチャイコフスキーの交響曲第5番を演奏します。チェリストのMartin Lohrが「同様に」ホ短調であるエルガーのチェロ協奏曲を共演します。聞けば感じることになると思いますが、調は同じでも二曲の雰囲気は非常に異なります。



ユ・ユンジョン記者 gustav@donga.com