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為替相場に一喜一憂せず、海外投資の機会にするべきだ

為替相場に一喜一憂せず、海外投資の機会にするべきだ

Posted November. 20, 2017 09:19,   

Updated November. 20, 2017 09:46

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米ドルに対するウォン相場が14ヵ月ぶりに1ドル1100ウォン台を下回って、輸出不振を懸念する声が高まっている。17日、ソウル外国為替市場で対ドル・ウォン相場は前日より1ドル3.9ウォンが下落した1ドル1097.5ウォンで取引を終えた。昨年末に比べると1ドル110ウォン(9.1%)が下落し、この1ヵ月間で50ウォン(4.5%)も急落している。昨日、現代(ヒョンデ)経済研究院は、韓国経済が耐えられる対ドル・ウォン相場は1ドル1184ウォンだと主張し、「ドル建て輸出価格の上昇により、競争国に比べて価格競争力が低下しかねない」と憂慮した。

為替相場の下落は、外国為替市場で韓国経済を前向きに評価し、ウォンの価値が相対的に強気を見せた結果だ。9月の経常収支が過去最大水準を記録したうえ、高高度ミサイル防衛システム(THAAD)を巡る対立緩和で、企業投資の不確実性が減ったことが主な原因である。韓中通貨スワップの延長や韓カナダ通貨スワップの締結により、外国為替市場の安定性も高まっている。

韓国にとって、為替相場は高すぎても心配だし、低く過ぎても心配である「両刃の剣」である。為替相場の上昇期には、輸出業者の輸出が増え、輸入業者の原材料の輸入コストの負担が増える一方、今のような為替相場の下落期には輸出、輸入業者の悲喜が入れ替わる。このような両面性があるのに、為替変動時はいつも否定的な側面が先に浮き彫りになるのは、対外変数に振り回されやすい小規模開放国からである。

かつては当局が口頭で介入したり、外貨準備高を動員して為替相場に影響を与えたことがあったが、今はそのような露骨な介入が難しい。米国が対韓貿易赤字を理由に、韓国を為替観察対象国の対象に載せているうえ、韓米自由貿易協定(FTA)の再交渉まで迫っている。外国為替市場の需給に任せておく以外は、これといった手立てがない。通貨価値に一喜一憂するより、企業が技術力のある海外企業を買収(M&A)したり、国内への設備投資を増やすように、政府が支援する必要がある。ウォン高を競争力強化の機会として活用することが、最善の為替相場対策である。