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人類初の実験室はアルキメデスの浴槽

Posted October. 21, 2017 07:46,   

Updated October. 21, 2017 08:11

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「彼の名声がどれほど偉大かは全く重要でない。実験と一致しない法則は誤っている」

1965年にノーベル物理学賞を受賞した世界的な科学者、リチャード・ファインマンの言葉だ。彼の言葉は、科学の本質を集約的に語る。すべての科学は実験(証明)を通じてこそ権威を得るためだ。同書は、人類の科学史で革新的な100の実験を紹介した。

著者ジョン・グリビン氏は、国際学術誌「ネイチャー」が「最高の科学作家」と表現するほど世界屈指の科学著述家だ。英ケンブリッジ大学で天体物理学の博士学位を取得した後、約100冊にのぼる大衆向けの科学書を執筆した。同書も、非専門家でも簡単に読めるよう190余りにのぼるイメージと解説がついていて、理解しやすい。

同書は、人類初の科学実験と評価される紀元前3世紀のアルキメデスの純金検証の実験から取り上げる。入浴の際、浴槽から溢れ出る湯を見て、浮力と体積の測定方法を発見したアルキメデス。情熱を傾けた実験の末、「エウレカ(分かった)」と叫んだ場面は読む者にも痛快だ。

特に著者は、英国の科学者ウィリアム・ギルバートに注目する。1600年に出版された『磁石論』は、人類史上初めて科学実験だけで書かれた。著者は、この時から世界を眺める視点が、神秘主義的な観点から科学的な研究に変わったと分析した。

このほかにも、アルハゼンの光学実験、重力波を検証した「ライゴ(LIGO)実験」など人類の科学史の分岐点になった実験の話が網羅されている。科学に親しみたくてもできなかった読者なら、読む価値のある本だ。



柳原模 onemore@donga.com