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コレイル流通のジェントリフィケーション

コレイル流通のジェントリフィケーション

Posted October. 20, 2017 09:37,   

Updated October. 20, 2017 10:08

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1960年代までスラム街だったソウル市庁前の小公洞(ソゴンドン)が現在の姿に変貌することになったきっかけは、1966年のジョンソン米大統領の訪韓だった。市庁前の歓迎レセプションを中継したテレビカメラが小公洞を映し、ソウルの様子が世界に伝えられた。テレビ中継を見た米国の同胞が恥ずかしいと嘆願書を寄せ、韓国初の都心再開発が着手された。しかし、代々中華料理店などを経営していた華僑は立ち退かなければならなかった。

◆立ち遅れた所を開発する場合、住民が安い居住地を探して引っ越さなければならないのは、世界的な現象だ。6月「火の地獄(Inferno)」と呼ばれるほどの大火災が起きた英ロンドンのグレンフェル・タワーは、中東出身の貧しい移住者のゲットーだった。ドイツのベルリンも、政府と地方自治体が罰金を科すなどの方法で、家主の賃貸料引き上げを抑えているが、住宅供給不足が解消されない限り、臨時措置にすぎない。賃貸料引き上げと住民の移住は、開発が生んだ二卵性双生児と言える。

◆「ジェントリフィケーション(gentrification)」は、英国の社会学者ルース・グラスが1964年、ロンドン西部の住宅地が再開発され、中産層が流入して低所得層が追い出される現象を説明した用語だ。中産層を地主階級であるジェントリー(Gentry)と見て、地主階級と下層階級の住居対立の構図を示したのは、グラスがマルクス主義者だったためという解釈もある。国立国語院は、「巣から追い出される」と純化した。住民が追い出されようが、零細商人が追い出されようが、貧しい芸術家が離れようが、ジェントリフィケーションは人のぬくもりと路地の懐かしさまで失わせるようだ。

◆釜山(プサン)駅2階に店を構えたカマボコ屋が賃借料が払えずに撤収した。コレイル(KORAIL)流通と売上額25%の賃借契約をし、昨年に払った家賃だけで37億8628万ウォンだったという。カマボコを売って残る金がいくらか分からないが、売り上げの25%までなるだろうか。コレイル流通は、全国の駅の約550の売り場に売上額連動賃借料方式を適用している。このうちどれだけ入店業者が賃借料が払えずに店を閉めるか分からない。

異鎮(イ・ジン)論説委員leej@donga.com