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朴前大統領の「政治的報復」主張と裁判ボイコットを目の当たりにして…

朴前大統領の「政治的報復」主張と裁判ボイコットを目の当たりにして…

Posted October. 17, 2017 09:08,   

Updated October. 17, 2017 09:52

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前大統領、朴槿恵(パク・クンへ)被告が16日、法廷で、「法治の名を借りた政治的報復は私で最後になることを望む」とし、「この事件の歴史的頸木と責任は私が負う」と述べた。自分に対する裁判所の勾留延長の決定に反発し、初めて直接的な心境を明らかにしたのだ。朴被告はさらに、弁護団全員の辞任決定を伝え、「裁判所への信頼は、もはや意味がないという結論に達した。今後の裁判は裁判所の意向に任せる」とも述べた。 

朴被告の発言は、事実上、裁判ボイコットと判決不服まで示唆したと見ることができる。16日は朴被告の勾留期限だったが、裁判所の勾留令状の発給で最長6ヵ月間、勾留された状態で裁判を受けなければならなくなった。これに対する失望と不満が予想されたのは事実だ。しかし、16日の朴被告の発言は、単なる反発と見ることはできない。自身が直接政治の前面に立つという宣言と言える。自身を「政治報復の犠牲者」と見なし、裁判所への不信を表明することで、刑事裁判を政治裁判にする意図がうかがえる。与野党が「積弊清算」と「政治報復」で対抗する政争のど真ん中に飛び込んだのだ。

朴被告は「全責任は私に問うことを願う」とし、公職者と企業家に対する寛容を求めた。その一方で、自分への疑惑は否定した。「一人に対する信頼が想像もできない裏切りとして戻ってきた」とし、すべての責任を崔順実(チェ・スンシル)被告に転嫁した。権限乱用も、不正請託を受けたり聞き入れたりしたこともないと主張した。潔白を訴え、全責任を自分に問え、関連者は許してほしと言う。まったくつじつまの合わない主張だ。刑事責任は否定し、政治的責任だけ問えという話なら、実に自己に都合のよい発言と言わざるを得ない。

むろん、裁判を受ける被告人としては当然の無罪主張であり得る。しかし、国政壟断関連者が裁判で有罪判決を受けているのに、ただ知らないと言うことはできない。「私の責任」発言も遅きに失した感がある。朴被告は、政治的勇退を拒否し、憲法裁判所の弾劾決定と特別検察官捜査、起訴など司法手続きを通じて裁判の終盤に至った。今では朴被告が属した自由韓国党まで離党を既成事実と見なす状況だ。コーナーに追い込まれ、刑事裁判を政治争いの場にしようという意図としか見えない理由だ。

それゆえ、朴被告の16日の発言は、裁判遅延のための時間の引き延ばしと映るほかない。弁護団が全員辞任したことで、裁判への支障は避けられない。次回公判の19日までに、弁護人の辞任撤回や新たな弁護人の選任がなければ、裁判所は国選弁護士を選任して進めるほかなく、裁判の長期化は避けられない。裁判遅延の意図でなければ、朴被告は急いで自分の弁護団から正常化しなければならない。

朴被告は、「歴史的頸木と責任」を口にした。しかし、晩年に「私の墓に唾を吐け」と言った父親の悲壮な歴史観は感じられない。好むと好まざると「大統領朴槿恵」は韓国の歴史の一部分であり、時間が過ぎれば昨今の社会的ムードから脱して、厳正な評価がなされるだろう。少なからぬ国民が韓国大統領の不幸な歴史と収監の身となった女性大統領の桎梏を残念に思っている。しかし、国政壟断事件後、これまで朴被告が見せた行動は、そのような国民まで背を向けさせるのではないか、自省することを望む。