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服を着て歩き回るだけで電気を生産、UNIST「スマホの充電が可能になるだろう」

服を着て歩き回るだけで電気を生産、UNIST「スマホの充電が可能になるだろう」

Posted September. 22, 2017 09:13,   

Updated September. 22, 2017 09:31

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光で電気を作る太陽電池は、ケイ素(Si)を用いて作るシリコン太陽電池と、様々な化学物質を混ぜて作る化合物半導体太陽電池に分けられる。光を当てれば内部に電気が流れる一部の物質の特徴を発電に利用するものである。

最近は太陽電池なしに、太陽の光を吸収して熱くなった部分と残りの部分との温度差を利用する温度差発電方式も脚光を浴びている。一般の太陽電池よりはるかに薄く軽く作ることができるので、人が着る服にも適用できるからだ。

蔚山(ウルサン)科学技術院(UNIST)新素材工学部のチェ・ギョンジン教授チームは、太陽光と熱電素子を融合させた「ウェアラブル熱電発電機」を新たに開発し、服を着て歩き回るだけで電気を生産し、スマートフォンなどを充電できる道を開いた。

体温と大気の温度差を利用して電気を作る試みは過去もあったが、皮膚と大気の温度差は摂氏2度に過ぎず、ウェアラブル熱電発電機商用化の可能性は高くないという評価が多かった。

チェ教授チームは、熱電素子を利用してこの問題を解決した。布のように柔軟な電子基板の中に光を吸収できるようにビスマステルルライト(Bi₂Te₃)と呼ばれる物質をインクの形に作って、何重も印刷した。このようにして作った発電素子は、光が当たるところとそうでないところの温度差が最大で摂氏20.9度まで大きくなった。既存の熱電発電機より10倍ほど大きな温度差を確保したことで、服を身に着けて日差しを浴びさえすれば電気を生産できる道を開いたことになる。チェ教授は、「今回の研究成果が小型ウェアラブル電子機器のための自己充電技術の実用化のための触媒剤の役割をすることを期待している」と話した。

このように作られたウェアラブル太陽光-熱電発電機は、太陽光を当てるだけで55.15mV(ミリボルト)の電圧と4.44μW(マイクロワット)の出力電力を示した。UNIST側は、「これは10個の素子で実験した数値であり、この数字を200個ほどに増やせば、発光ダイオード(LED)電球一つをつけることができるようになる」とし、「性能をより高めて服全体に活用すれば、スマートフォンなどの携帯型電子機器を充電できるほどの性能も期待できる」と語った。

発展を研究する科学者たちは、このように捨てられるエネルギーを活用して、活用度の高い電気を作る「エネルギーハーベスティング(収穫)」の研究に活発に取り組んでいる。太陽光と体温、足の裏にかかる圧力など、捨てられるエネルギーを活用しようとする分野だ。UNIST新素材工学部のぺク・ジョンミン教授チームは、今年5月29日、服を着て動くときに生じる摩擦力を電気に変える技術を開発したが、従来の研究に比べて電力を20倍も多く生産するものだった。研究チームは、特殊な高分子物質を混ぜた新しい素材を開発して電力を高めた。



チョン・スンミン東亜サイエンス記者 enhanced@donga.com