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400年前の朝鮮時代の女性ミイラ、死因は「生活習慣病」

400年前の朝鮮時代の女性ミイラ、死因は「生活習慣病」

Posted September. 13, 2017 09:51,   

Updated September. 13, 2017 09:56

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韓国の研究チームが400年前の朝鮮時代の独身女性のミイラ(写真)を解剖して、死因を解明することに成功した。死因は驚くべきことに遺伝歴による動脈硬化症だった。古代東アジア人のミイラから生活習慣病の一種である動脈硬化が発見されたのは初めてだ。生活習慣病は現代に来てできた病気ではなく、過去から私たちの遺伝子に内在していた病気であるかもしれないことで、さらに意義がある。

ソウル大学病院の申東勳(シン・ドンフン)解剖学教授とソウル峨山(アサン)病院内科のイ・ウンジュ教授の共同研究チームは2010年、慶尚北道聞慶(キョンサンブクド・ムンギョン)で発見された17世紀の朝鮮時代の女性ミイラの死因を分析した結果、アテローム性動脈硬化症による心血管疾患と確認されたと、12日明らかにした。

アテローム性動脈硬化症は、血管の内部に悪玉コレステロール(LDLコレステロール)が溜って血管が狭くなる病気であり、糖尿病、過度なカロリーの摂取、運動不足、腹部肥満など、悪い食べ物・生活習慣のために起こる現代人の病気として知られている。放っておくと、血管が詰まって脳卒中や心筋梗塞などの致命的心血管系疾患につながる。

これに先立って2012年、欧州の共同研究チームが5300年前のミイラ「アイスマン」から、世界で初めて動脈硬化症を解明して話題となったが、東アジア人のミイラから明らかになったのは今回が初めてだ。このミイラは、2010年4月、聞慶でマンション建設工事中に発見され、死亡時の年齢は35〜50歳の未婚だったと推定される。

ミイラの死亡原因を解明するために、研究チームはまず、コンピュータ断層撮影(CT)を行ったが、映像を通じて動脈硬症で血管が石灰化された痕跡を発見した。しかしこれは疾患の間接的証拠に過ぎず、直接証拠にはならなかった。

そのため研究チームは、科学捜査(CSI)で犯罪被害者の死因を精密に解明するときに使う遺伝子分析法を用いた。遺体の表面のDNAは長い時間が経つにつれ、他の外部組織に汚染される可能性が大きいので、高度な技術を利用して、ミイラの内部細胞からミトコンドリアDNAを抽出した。そして、ここにアテローム性動脈硬化症とかかわりのある一塩基多型(SNP)があるかどうかを調べた。人間の遺伝体をなす塩基配列はほぼ似ているが、その中の0.01%程度の配列が異なって、人種、疾患のような個人差を作る。動脈硬化症のある患者は健常者とは違って、特定塩基配列の頻度が頻繁に現れる。

分析の結果、ミイラは、アテローム性動脈硬化症の発生リスクを高める塩基配列が7つ発見された。この遺伝的要因が動脈硬化を起こし、女性を心血管疾患による死亡に至らせたと、研究チームは判断した。

イ・ウンジュ教授は、「生活習慣病は現代人の病気だとばかり思っていたが、私たちの先祖もこのような病気を引き起こす可能性のある遺伝的要因があったことを確認したことに大きな意味がある」とし、「今後、映像医学的所見や物理解剖だけでは病理学的診断を下せない研究に、遺伝子分析法が有効に活用されうることを明らかにしたことも意義といえる」と研究を評価した。今回の研究結果は、オンライン国際学術誌「プロスワン(PLoS ONE)」の最新号に掲載された。



李美智 image@donga.com