Go to contents

王族と平民

Posted September. 05, 2017 09:20,   

Updated September. 05, 2017 09:24

한국어

欧米では、王族や貴族を「青い血」と呼ぶ。かつて肉体労働をする平民層の肌の色は日焼けして黒いのに、王族や貴族の肌の色は白いので青い静脈が目立って見えたことから由来したという説がある。この青い血を維持するために、中世の欧州王室では、他の王家や親戚との結婚を当然のように思った。王族と平民の結婚が可能になったのは、王がもはや統治しなくなった近代以降のことである。

◆グレース・ケリーが1956年、モナコのレーニエ3世と結婚した後、欧州では、王族と結婚した数多いシンデレラが誕生した。2000年、シドニーオリンピックを見に豪州を訪問したデンマークのフレデリク王太子が偶然、不動産会社の従業員だったメアリー・ドナルドソンに出会って恋に落ちた物語は、シンデレラストーリーの「頂点」といえる。スウェーデンのビクトリア王女とフィットネストレーナー「ダニエル・ベストリング」は、カール16世グスタフ国王の反対を押し切って、2010年に結婚した。結婚後、ベストリングは、スウェーデン議会から王子の称号が与えられ、王室の一員になった。

◆平民が結婚により王族になる欧州とは違い、日本では王家の女性が平民と結婚すると、皇室典範に基づいて平民になる。日本の王室は3日、明仁日王の孫娘「眞子」王女が大学同窓生「小室圭」氏と婚約し、来年結婚式をあげると発表した。小室氏は、観光地・湘南江ノ島の広報大使である「海の王子」出身。王女が「王子」と結婚して平民になる物語が誕生したわけだ。

◆日本で平民と結婚した最初の王族は明仁日王である。皇太子時代だった1959年、平民出身の正田美智子と結婚した。かつて日本でも王族は王族や貴族(華族)とだけ結婚するという王室典範があった。敗戦直後だった1947年、日王の直系でない王族と貴族を全て平民の身分にさせた後も、王族、貴族出身間の結婚は不文律のように残っていた。真子王女が結婚すれば、日本の王族は18人しか残らない。王子は高齢であり、王世孫は4人のうち3人が娘なので、いつかは後継ぎが無くなるかもしれないというのが王室の悩みだ。

朱性元(チュ・ソンウォン)論説委員swon@donga.com