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日本政府も「強制徴用の個人請求権」認めていた

日本政府も「強制徴用の個人請求権」認めていた

Posted August. 21, 2017 09:32,   

Updated August. 21, 2017 09:41

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1965年の日韓請求権協定の締結で個人請求権も完全かつ最終的に解決されたと主張してきた日本政府が、「国家間の合意にも個人請求権が存在する」という立場を1990年代まで繰り返し明らかにしていたことが確認された。日ソ共同宣言の請求権放棄と関連して、外務省高官が国会で議員の質問に答えたのを、日本の学界と市民団体が速記録から見つけ出して公開したのだ。

これをめぐって、賠償責任がどの国家にあるかによって発言が変わる「ダブルスタンダード」が指摘されている。日本に責任があれば個人請求権はすでに終わった問題だと言い逃れ、日本が受け取る余地がある旧ソ連(現ロシア)には請求権が存在すると主張するということだ。日本政府は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が17日、記者会見で、「憲法裁判所の決定や大法院の判例で強制徴用者個人の民事的補償請求権が認められている」と明らかにすると、駐韓日本大使館を通じて抗議した。

公開された日本の国会議事録によると、高島有終・外務大臣官房審議官は1991年3月、参議院で、「日ソ共同宣言で請求権の放棄は、国家の請求権および国家が自動的に持つと考えられる外交的保護権(政府が個人の裁判を支援できる権利)の放棄」とし、「日本国民個人がソ連やソ連国民への請求権まで放棄するものではない」との認識を示した。「シベリアに抑留された日本人被害者がソ連に対する請求権を有するのか」という議員の質問にこのように答えた。

柳井俊二・外務省条約局長は同年8月、参議院に出席して、「日韓協定は両国が国家として持つ外交的保護権を放棄したにすぎず、個人請求権そのものを消滅させたものではない」とし、韓国人被害者が個人請求権を有するという解釈を示した。日韓協定直後の1965年11月にも椎名悦三郎外相が衆議院で、「個人の請求権を放棄したという表現は適切でない」と発言している。

しかし、日本政府は2000年代に入って、「個人の請求権も消滅した」という方向にいつの間にか立場を変えた。日本軍慰安婦被害者15人が2000年に米ワシントン連邦裁判所に日本政府に対して訴訟を起こしたことが原因とする見方が出ている。

一方、韓国外交部はこれまで、日本軍慰安婦とは違って強制徴用は日韓協定で解決されたという立場を取ってきた。このため、日本では「またゴールポストを動かすのか」という声が出ている。また、文大統領の発言に対して、大法院の判決に影響力を及ぼそうという意図があると疑念を抱いている。戦前・戦中に日本に強制徴用された韓国人犠牲者は70万人と推定される。



張源宰 peacechaos@donga.com