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「不安な平和」ではなく「堂々たる平和」を成し遂げるべきだ

「不安な平和」ではなく「堂々たる平和」を成し遂げるべきだ

Posted August. 16, 2017 10:25,   

Updated August. 16, 2017 10:31

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文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日、72回目の光復節の祝辞で、「政府はすべてをかけて戦争だけは阻止する」と明らかにした。「平和」を20回も言及し、韓半島での軍事行動は韓国だけが決定でき、誰も韓国の同意なく軍事行動を決められないと強調した。さらに、文大統領は、「私たちの安全を同盟国だけに依存することはできない」とし、韓国の主導的役割を繰り返し強調した後、「北朝鮮の核問題の解決は『核凍結』から始めなければならない」と主張した。

文大統領の「反戦平和論」は、米国と北朝鮮がこれまでの険悪な「言葉の戦争」を終わらせ、対話を模索する局面で出た。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長が、戦略軍司令部から「グアム攻撃」報告を受け、「米国の行動をもう少し見守る」と発言したという朝鮮中央通信の報道もあった。これに先立ち、米国務長官と国防長官が共同のメディア寄稿を通じて、北朝鮮の政権交代や崩壊、吸収統一、北朝鮮への侵攻の考えがないという「4ノー原則」を明言したのも、このような流れと無関係ではないだろう。

グアム攻撃を公言した金委員長が「見守る」と言ったので、ひとまず挑発の勢いは弱まったと見ることができる。「いつでも実戦突入できるよう常に発射態勢を整えよ」と言ったというが、挑発の程度を高めた勢いと比べると大きな変化だ。米国はこれまで「炎と怒り」、「軍事オプション準備完了」など大統領の超強硬発言と共に、中国には事実上、貿易戦争を宣言し、北朝鮮に対して行動に出るよう圧力をかけた。中国が北朝鮮産鉱物の輸入を禁止し、北朝鮮も圧力を感じないわけにはいかなくなった。一方で、米国は、金委員長に対話のドアを開けていることを強調して「退路」をつくった。「最大の圧力」を通じて「最大の関与」に切り替えるという米国の新たな対北政策が効果を出しつつある。

文大統領は演説で、北朝鮮との対話の条件を核・ミサイル挑発の中止に引き下げ、交渉の開始点も核凍結と提示した。いわゆる「核凍結対話入口論」だ。北朝鮮を交渉テーブルに引き出すには、対話のハードルを下げるほかないという現実的な判断によるものだ。しかし、対話を始めたなら、核廃棄を貫徹しなければならない。しかも、米国が、米本土を脅かす大陸間弾道ミサイル(ICBM)開発だけ阻止する線で妥協する場合、韓国は核武装国を頭に置いて暮らさなければならない境遇になる。

文大統領の言葉どおり、韓半島の平和は絶体絶命の課題だ。韓半島で戦争の惨禍は決してあってはならない。しかし、「不安な平和」ではいけない。今は北朝鮮の挑発による戦争防止が重要でも、北朝鮮自ら核を放棄しないわけにはいかないよう国際社会とともに圧力をかけなければならない。真の平和は力による「堂々たる平和」でなければならない。それには「核には核で、挑発には報復で」対応するという原則の下、強力な抑止力を確保する必要がある。必要なら同盟国や国際社会を説得しなければならない。