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アリアナ・グランデの初の来韓公演

Posted August. 16, 2017 10:25,   

Updated August. 16, 2017 10:31

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まるで仁川(インチョン)国際空港の出国ゲートを移してきたようだった。

15日午後7時、雨まで降ったソウル九老区(クログ)にある高尺(コチョク)スカイドーム前は、飛行機ではなく、公演会場に入場しようとする2万人の人出でにぎわった。

「空港並みのセキュリティ検索台運営」「アーティストの要求に応じたセキュリティ検索の強化で、セキュリティ検索と会場への移動、入場に少なくとも1時間以上がかかるとみられるだけに、余裕をもって到着してください」という主催側の事前公示文は口先だけの言葉ではなかった。

午後8時から行われた米人気歌手「アリアナ・グランデ」(24)のコンサートは入場から疲れた。取材記者も例外ではなかった。ノートパソコンのカバンを担いで入ることができなかった。カバン、ハンドバッグ、ポーチの持ち込みが禁止されたためだ。主催側が許可した搬入可能バッグは、横27センチ、縦40センチ以下であって、中身が丸見えの透明なカバンだけ。ノートパソコンも取材用であることを確認するステッカーを貼ってからようやく持って入ることができた。長い傘も持ち込み禁止物品の一つだった。折りたたみ傘を持っていったのがよかった。

大げさな入場審査はテロのためだ。5月、22人が犠牲になり、116人がけがをした英マンチェスター爆弾テロが起きた場所は、ほかならぬグランデの公演会場だ。グランデは6月、マンチェスターを再び訪れて、「テロに屈しないでださい」と主張しながら、追悼コンサート「ワン・ラブ・マンチェスター」を開き、これは全世界に生中継されて話題になった。

追悼コンサートの後、グランデは若い年齢のスターではあるが、落ち着いて堂々とよく立ち向かったという評価を世間から受けた。昨年リリースしたアルバムと同じ名前の「デンジャラス・ウーマン(Dangerous Woman)」の巡回公演シリーズも欧州、南米、アジアへと続いたが、会場のセキュリティは非常に強化された。グランデは10〜13日の日本コンサートに続き、韓国でも自分の入国時間と場所さえ秘密に付し、会場内での取材用写真撮影も認めなかった。主催側の関係者は、「複数の来韓公演を手がけたことがあるが、アーティスト側からこれほど徹底したセキュリティの要求をしてきたことは初めてだ」と冷や汗を流した。

米マイアミ州、フロリダ出身のグランデは、2008年、ミュージカル俳優としてデビューした。美貌と歌唱力を兼ね備えてテレビ俳優と歌手活動を並行しながら、主に英語圏の10代や20代のアイドルになった。国内でも「Problem」などの曲がテレビオーディション番組の出演者たちによって歌われ、人気を得た。

グランデは同日の舞台で、「こんにちは、コリア!」と客席に挨拶し、光復節(日本植民地からの独立記念日)であることを意識したかのように、「特別な日を祝う」とも叫んだ。早目に売り切れとなった2万の客席を満たした観客たちは、熱い歓声で応えた。



イム・ヒユン記者 imi@donga.com