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「道路と疎通する」現代起亜自の自律走行車

「道路と疎通する」現代起亜自の自律走行車

Posted August. 16, 2017 10:25,   

Updated August. 16, 2017 10:31

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現代(ヒョンデ)自動車は、今年のソウルモーターショーで「カー・トゥ・ライフ(Car To Life)」をテーマに、未来の青写真を公開した。カー・トゥ・ライフとは、無線通信網を通じて車と人間の生活領域のいたるところが密接に繋がる状態をいう。現代自の梁雄哲(ヤン・ウンチョル)副会長は、このような青写真を実現する自動車を「超連結知能型自動車」と名付けた。

超連結知能型自動車の具現のため、現代・起亜(キア)自動車は本格的な研究に乗り出した。15日、現代・起亜自は京畿華城市(キョンギ・ファソンシ)一帯の道路で、車と物との通信システムを巡る実証実験を開始すると発表した。

このシステムは、「V2X(Vehicle To Everything)」と呼ばれている。自動車と自動車はもとより、信号灯のような交通インフラと自動車が通信網を通して情報をやりとりする。さらに一歩進めば、家や車、飲食店と車が情報を共有することになる。V2Xシステムを備えた自動車を「コネクテッドカー(Connected Car)」と呼ぶ。V2Xは完全な自律走行車を作るために絶対必要だ。自動車が道路上で発生する様々な状況を把握し、すぐに対応できてこそ自律走行車の時代が開かれるからだ。超連結知能型自動車もV2Xがあってこそ可能だという意味だ。

V2Xの実証実験のために、現代・起亜自は、華城市南陽邑(ナムヤンウブ)にある技術研究所から、華城市役所、飛鳳(ビボン)インターチェンジに至る14キロ区間でコネクテッドカー50台を運用する。専用通信網を使うために通信基地局も設置した。該当区間の信号灯と監視カメラには、情報送信のための端末が取り付けられた。

横断歩道に設置された監視カメラは、横断歩道に近づく自動車に歩行者がいるかどうかを教えてくれる。また、信号灯は、信号変更までの残りの時間を車に知らせる。残りの時間と自動車の速度を分析して、信号違反の可能性を警告する技術も具現された。自動車同士は、交差点で衝突危険があるとき、互いに知らせる。前の車が急ブレーキをかけると、衝突警告が後ろの車に伝達される。

今回の研究は、現代・起亜自が、既存の自律走行車の試験走行では得られなかったさまざまな状況のデータを獲得できることに意味がある。従来は、市内道路ではなく、研究所や高速道路で走行するのがほとんどだった。市内道路は、研究所や高速道路に比べて複雑で突発状況が多い。グーグル自律走行車は、すでに5年以上も都心のいたるところを走りながらデータを集めている。蓄積されたデータの分だけ、自律走行車は対応技術を備えて進化することになる。

市内道路での実験が不足しているだけに、現代・起亜自とグローバル先導メーカーとの技術格差は明らかだ。大林(テリム)大学自動車学科の金必洙(キム・ピルス)教授は、「現代・起亜自の自律走行技術の水準は、2年ほど遅れている」と語った。自律走行車の重要部品が国産化されていないことなども、国内メーカーが遅れている原因として挙げられる。

現代・起亜自は開始は遅れたものの、早いスピードで自律走行技術力を育成している。現代自グループのクォン・ヒョングン知能型安全研究チーム長は、「高いレベルの車両制御技術があるので、情報通信技術(ICT)企業と協力して、最終的に世界市場で要求されるレベルの自律走行車を作っていきたい」と話した。自律走行車の開発について、現代・起亜自は自社だけで手掛けようとしているという指摘に対しても、協力を活発に進めていると明らかにした。現代自グループの研究者は、「積極的に知らせなかったが、シスコモービルアイなどのグローバルICT企業各社と自律走行車の開発協力を進めている」と語った。

自律走行車は、世界の自動車市場で韓国自動車産業の存在感を決める重要な分野であるだけに、国家的インフラの構築も急がなければならないという声が高まっている。徐承佑(ソ・スンウ)ソウル知能型自動車IT研究センター長は、「自律走行車が認識できる信号灯の位置のような小さな部分から始めて、備えなければならないインフラが一つや二つではないが、韓国は議論があまりにも遅々として進まない」と指摘した。ドイツ政府は、自律走行車が認知しやすいように速度の標識を白黒にするなど、関連インフラを積極的に構築している。自律走行車の研究者たちは、「自律走行車で市内道路を走る研究をより簡単にできるように、試験走行をするたびに、一つ一つ自治体の許可を受けるようにした規制は見直す必要がある」と指摘した。また、「自律走行車の開発に拍車をかけるためには、自律走行車の開発に関連のある国土交通部や科学技術情報通信部、産業通商資源部などを効率的に動かす『コントロールタワー』を設置することも急がれる」と話した。



韓友信 hanwshin@donga.com