11日、英国ロンドンのオリンピックスタジアムで行われた世界陸上選手権の男子200メートル決勝。人々の視線は専ら400メートル金メダリストのウェイド・バンニーキルク(25=南アフリカ)とノロウィルス感染が疑われて試合出場が禁止されたが、劇的に決勝出場が実現したアイザック・マクワラ(31=ボツワナ)に注がれた。
しかし「ボルト時代」の開幕以来、ウサイン・ボルト(31=ジャマイカ)が出場しない初の世界選手権200メートルの金メダルはグリエフが獲得した。2003年以降、国際大会の200メートルで米国とジャマイカ出身のメダリストが出なかったのは初めて。
この日、グリエフは20秒09で優勝を飾り、トルコに世界陸上選手権200メートルで初のメダルをもたらした。バンニーキルクは最後の30メートルを残して先頭を走っていたが、終盤のスパートで粘ったグリエフがバンニーキルクを0・02秒差で抜いた。
2016年に初めて100メートルと200メートル、400メートルをそれぞれ10秒、20秒、44秒未満の記録で走破し、スプリンターの「夢の記録」を達成したバンニーキルクは1994年のマイケル・ジョンソン(米国)以来23年ぶりに世界選手権の200メートルと400メートルを同時席巻に挑戦したが、最後に粘り切れなかった。バンニーキルクはビデオ判定の末、ジェリーム・リチャーズ(23=トリニダード・トバゴ)を0.001秒差で抜いて銀メダルに甘んじた。
一方、今シーズンの200メートルの最高記録(19秒77)を保持しながらもノロウィルス感染が疑われて出場禁止騒ぎに巻き込まれたマクワラは前日、雨の中で一人で行った予選で20秒20でフィニッシュし、決勝には進出したものの6位(20秒44)と振るわなかった。マクワラは、「これまでの世界選手権の中で最も話にならない行程だった。最後の50メートルで疲労感を覚えた」と言い、悔しさを隠さなかった。
任寶美 bom@donga.com