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親が同意した将兵だけに地雷除去させた軍は正常なのか

親が同意した将兵だけに地雷除去させた軍は正常なのか

Posted March. 30, 2017 08:36,   

Updated March. 30, 2017 08:36

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陸軍第3軍司令部のある工兵大隊の大隊長が先月、韓国戦争の時に京畿道(キョンギド)に埋められた地雷を除去する作業に投入する兵士を選抜する際、親の同意を求めたという。必要な兵士30人のうち親が許可しなかった3人を除き、不足した兵力を追加選抜した。この大隊は昨年も同じ理由で兵士5人を追加選抜したという。親の事前同意を受けて動く軍がどれほど効率的な軍事対応ができるのか、情けない話だ。軍に行った子供が当然すべき任務と考えて地雷除去に同意した親はどうなるのか。

一線の部隊で親の干渉を許可したことは昨日今日のことではない。新兵が訓練所に入所すれば、指揮官と親のチャットが開設され、母親の問い合わせや要求で指揮官の業務が妨害を受けているのが現実だ。成人になった兵士の海外派兵の際、親の同意が必須項目になってから20年が経った。2010年に予備役に編入した李相宜(イ・サンウィ)合同参謀議長は、この手順を代表的な「兵営内ポピュリズム」とし、無くそうとしたが失敗した。

親が軍にいる子供の安全を心配することは当然だ。2007~2013年の7年間、安全事故で年平均42人の兵士が命を失っており、親の心配は杞憂ではない。最近3年間は年20人代に減ったが、防ぐことができた犠牲だった。軍が兵士の事故を透明に公開しなかった慣行は、親の心配をさらに大きくする要因だ。このような親の不安を減らすために軍が部隊生活をできるだけ公開しているが、逆作用も大きいという点が今回明らかになった。

強い軍になるには、高価な先端兵器を導入することだけではない。その基底に将校と兵士、そして軍と国民との間の固い信頼がなければならない。兵士の運用に親の同意が必要だったということは、軍と国民との間の信頼にひびが入っているという証拠だ。普段から無念の人命被害が起きないよう徹底して備え、差し迫った状況で犠牲になった兵士と遺族には手厚い待遇をしなければならない。兵士だけでなく子供を軍に送った親も、兵役義務ほど国を愛することはないと考えて臨むことを願う。