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[オピニオン]バイアグラと大統領府の節約精神

[オピニオン]バイアグラと大統領府の節約精神

Posted November. 24, 2016 09:30,   

Updated November. 24, 2016 09:32

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1998年に披露されたバイアグラは、多くの男性たちから「回春の妙薬」として人気を集めた。血液を末梢神経にまで円滑に供給して、気を落としていた男性のプライドを立て直す効能のおかげといえる。心血関係の副作用のため、医師の処方を受けてから購入ができるが、強い男性を保たせることでニーズが高く、偽物や闇取引まで盛んに行われるほどだ。血液中の酸素供給を増やして、高山登山客らの間で、呼吸障害などを緩和する用途としても使われるという。

◆大統領府が昨年12月、バイアグラ60錠やバイアグラのコピー製品「パルパル錠」304錠を購入したことが明らかになった。鄭然國(チョン・ヨングク)報道官は、「5月の標高1000〜2000メートルにあるアフリカ3か国歴訪に備え、高山病治療剤として購入した」と語り、「一度も使っておらず、そのまま残っている」と釈明した。しかし、専門治療剤でもなく、副作用が起きることもあるバイアグラを購入したのはおかしいと主張する医師もいる。製造会社であるファイザー製薬側は、「バイアグラは、勃起不全治療を目的に用途が限られた専門医薬品だ」と一線を画した。

◆2013年、原子力発電所に試験成績書が偽造された不良部品が使われたことが明らかになり、原発6基が一気に運転を停止したことがある。当時、朴槿恵(パク・グンヘ)大統領は、「夏に(スーツの)上着をまとい、ネクタイまで締めても、省エネをしなければならない状況なのに、とんでもないことだ」と語り、「大統領府が率先しなければならない。私も最近、クーラーを全くつけずに過ごしている」と明らかにした。そんな大統領府が、美容改善や老化防止用途の注射剤を大量に購入し、バイアグラを購入して、使いもしなかった。

◆現政府は、発足当初からとりわけ節約を強調してきた。135兆ウォンに上る朴大統領公約を履行するためには、予算漏れを食い止めなければならないと、こまごまとした「公約家計簿」まで作った。とある地方自治体で、85歳以上の高齢者に毎月3万ウォンを支給する長寿手当も無くすよう駆り立てた。朴大統領の力を借りて、財閥から数十億、数百億ウォンずつを巻き上げた崔順実(チェ・スンシル)は、その金遣いが節約とは程遠い。朴大統領の真実性が隅々まで疑われている今、バイアグラを巡る大統領府の釈明も釈然としない。

異鎭(イ・ジン)論説委員 leej@donga.com